スペインの文化:お客様にはサービスよりストレスを

先日、お昼休み時間を使って、銀行に行ってきました。

ドアを開けると長い列。

スペインの銀行は一般的に、
cajaと呼ばれる支払い等を受け合ってくれる窓口と、
mesaと呼ばれる、口座開設、ローン、投資などの相談にのってくれる机を構えて座ってる人たちと、
2つの機能にザックリ別れます。

そして、良く混んでいるのはそのうちのcajaと呼ばれる窓口。
水道代を払いにきたおばさんとか、
高額のお金を下ろしたいおじさんとか
並んでるわけです。

なのに対応している銀行員はたった一人。

そして、
これも本当によーーーくある光景ですが、
Mesaは客がおらず、ガラガラ。。

日本人の心が残っている私としては、

ほら、Mesaにいる銀行員さんたち、
Caja手伝ってよ。もう30分も待ってるんですけど。
と、思う。

でも、その長い行列を見つつも、
絶対、そこに応援に行こうとしない銀行員さんたち。
ちなみに、Caja対応している銀行員も同僚に助けは求めません。


ここには、大きなスペインの会社文化が現れています。

まず、一に、
自分の責任範囲以外は、決してクビを突っ込まない。

そして、第二に、
僕らは、会社の顔ではなく、ただの雇われです。
会社に文句があるなら、支店長にでもお問い合わせ下さい。
という意識。


さて、ここで気になるのは、
この国では客はどうやって生きているのか、

例えば、
私が列に並んでると、
前後のおばさんが、すごく嫌そうな顔で、
長くない?と話しかけてきます。

で、私が、
そもそもなんで一人で対応してるんでしょう?

と、答えると、

本当よね。
時間ないのに。。

そう内々で文句は言いますが、決して銀行側にクレームはしない。

なぜなら、クレームしても何も起きないことを知っているから(笑)

つまり、
この国は、客が耐える国なのです。

もう少し詳しく紐解くと、
なんだか少し社会主義の匂い残る感じがします。

すべての会社がそうなわけではないですが、
特に老舗の会社や、お役所関係は、
まさしく。クライアントには媚びることはない。

なぜ媚びないのか、それはコンペティティブであるか、もしくはコンペティションをする必要がないから。

つまり、自由市場の匂いが薄いのです。

弱いものが強いものに食われる、資本主義社会の傾向は、これから強くなるとは思いますが、
なかなか、メンタリティを変えるのは難しそうで、食われてから、もう遅いことに気付く。。
てな感じがします。

さてさて、
こんな社会で生きていて、悪いことばかりではない、と信じて(笑)

最後に、いい面も考えてみました。

例えば、
忍耐力はかなりつきます(笑)

仕事する側として考えたら、
仕事のストレスはかなり低減します。

日本では、仕事においてありとあらゆる責任を見積もり、行動しなければいけない。

でもスペインは、自分の決められた責任範囲以外は、心が痛みもしないわけです。
(でも、実際スペインの会社で働いてみても、心が痛むのでストレスはスペイン人よりは溜まりますが。。)


この国で、だいぶ生きてきて、
腹が立つことは山ほどありました。

でも、いいか悪いかじゃない。

世界が違うんだ。

生まれたところが違えば、
犬もご馳走になるし、うさぎもご馳走になる。
うさぎがよくて、犬が悪いのか。

いいか、悪いかじゃない。

世界はたくさんの色を持って存在するんだ。

と思うことが自分のためになります。

自分の好きな人を周りに集めてみる

海外に住んでの、結論。

私たち、個人の生活は、だいたい自分と接する10~30人くらいの人で出来上がってる。

私はスペインで約5年。
マラガ(アンダルシア)3年半
ヒホン(アストゥリアス)半年
マドリード 半年

こんな感じで場所変えながら暮らしてきました。
スペインをよく知ってる人なら分かると思いますが、
南の先端のマラガから、北の先端のヒホンに移り、そして中心のマドリードに落ち着いた感じで。


3つの場所を転々としている間、

私は、スペイン人に対する意見をとてつもなく変えてきた、

と、思います。

それは関わる人がちがったから。


マラガに居るときは、
正直、スペイン人もスペインも嫌いだった(笑)
いや、むしろ、毎日日本に帰りたかった(笑)

マラガのスペイン人は、

コンサバ。
外国人の私と心から仲良くしようと思っているスペイン人は、見つけるのが本当に大変。
男は女遊びが激しい。。(そうじゃない人は2割くらいな気がww)

ある日、毎日、日が照るマラガで、
少しくらい雨を降らせる情緒もないのか、

とサンサンと照る太陽に嫌気がさしました(笑)

ある日、自分の住んでるマンション5階から、
ボーと待ちを眺めながら、歩いてる人たちを見ながら、

スペインの土地の上で、息をしている生き物すべてが嫌いだ。

と思ったことも、ありました(笑)

それでも、いたマラガ。

でも、最後のとどめは、仕事。
アンダルシア人仕事は、耐え難かった(笑)

朝ごはんは、みんな仲良く食べる憩いの時間なんです。

行かない奴は、仲間はずれ。

そして、なぜか解雇。。。!?
信頼できないからと。

優秀な人たちが2人、3人と解雇されていくのを見て、

ここにいるべきでは、ないんだと。
私には合う世界ではなかったと
心底思いました。


そして、仕事を変えて辿り着いたアストゥリアス。

その生活の中で、
スペイン人に対する見方が変わりました。

アストゥリアスのスペイン人は、

面倒見がよく
生真面目で、真面目にも働き、
そして批判的。
少しイギリスに近づいた感が(笑)
でも、やっぱり田舎が大好きな、コンサバな人たち。

ここで、スペイン人をやっと好きになりました。

やっと、少し自分と近い世界の人に会った気分。

アストゥリアスでの生活は、
基本的に楽しかったです。

この頃から、日本に帰ることは考えなくなりました。

もう4年目だからね。

と日本の友達にも言われたんですが、
慣れたというより、

自分に合った世界に入った

という感じが強かったです。

ただ、それでもやっぱり大きな街に行きたかった。

というわけで、上司を説得して、
マドリードオフィス勤務にしてもらい、マドリードに移ったわけです。

マドリードは、色んな人がいる。
土日も、会社のケータイに電話するとでる会社の人たち。
あんなに家族が大事な人種なのに。。
そんな人もいる。。

この5年を通して、分かったことは、
私たちが、かなりの色眼鏡をかけて世の中を見ていること。

嫌なことがあると、
あんなにキレイな青空でさえ、憎らしく見えて、

うれしい気分のときは、
とてつもない大雨でさえ、新鮮に見える。

私たちの気分は、
私たちの外部でおこる事象の評価を大きく揺さぶります。

わたしたちの気分は、
1日の中で関わる人たちに左右されてしまう傾向がある。

だったら、自分の好きな人たちと付き合っていけばいい。

とはいえ、
社会生活は、色んな人と関わらなければいけないから、

自分と違う世界感を持つ人には、

彼らの世界感を尊重すること。
自分がいいと思う世界以外にも、色んな世界が存在することを許して、受け入れこと。
でも、その世界には入り込まないこと。

それが一番自分のためになる。

ということでした。

Princesa triste で有名な日本の有名人

今日の仕事場の話。

Oye, has visto la noticia ?
ねぇ、ニュース見た?

と、同僚に声をかけれて、

Que ha pasado ?
なんかあったの?

と聞いてみると、

La princesa triste le dió un beso a la reina de españa verdad ?

訳しますと、"la princesa triste"がスペインの女王様にキスをしたんでしょ?
dar un beso :キスする
le :は la reina de españa :女王様を意味します

Cómo ? なんだって?

La princesa triste ? Quien es ?
悲しいお姫様?誰それ?

ちなみに、スペイン女王が出てくる時点で、
話は、日本に訪問しているスペイン王子様、女王様のことです。

天皇陛下や皇太子様の名前は、なぜかスペイン人は知っていて、よく名前で呼ぶのですが。。

Ven Ven ! 来て来て

と言われて見たネットニュースに出ていたのは、

雅子様。

あぁ。Princesa triste.. 悲しいお姫様。

Por que se llama asi ?
なんで、そう呼ばれるの?

Es que durante mucho tiempo estuvo depresión verdad ?
だって、もう長い間、心の病だったでしょ?

あぁ。。

雅子様は、スペインで案外有名なのでした。

恐らく、
皇太子様がスペイン訪問した時に、
雅子様がお見えにならなかったから、
有名な話になったのでしょう。

スペイン人は(少なくとも私の会社の同僚たちは)
遠くから、彼女が公共の場に出てみえた事を、優しく見守っているようでした。

ちなみに、

みなさんも日本のテレビで見たかもしれない、
あの美男美女の王カップルは、

こちらでは、違う国の誰かさんと不倫してるだの、色々ゴシックネタが目立つ、

国民からしてみれば、
ヤレヤレな二人なのでした。(笑)

あ、ちなみに、
今日話していたキスというのは、
スペインでは、礼儀として会った時の挨拶にする頬へのキスのことです。

女性へのキスは初対面でも必ずします。
ただし、男性同士は、握手が多いです。
男性同士のキスは仲がいい友達同士だとしても、
中々見ないケースです。

以上、今日のニュースでした。

スペイン語の学び方 Vengaを使うとNativeぽくなる

久しぶりに、スペイン語でも。

さてさて、
もうすぐスペインに来て5年が経つわけですが、
未だに使うタイミングを逃す"Venga"という単語。

Venga:
Venir「 来る」のSubjuntivo一人称と三人称の形

ですが、Vengaを使うのに、そんなむ難しいことは考えなくていい場合が多いです。

とうのも、みんな掛け声みたいな感じで使っているからです。


一番よく聞くのは、友達同士の電話にて。。
もしくは、友達と会っていて、別れの際、

そろそろ、話終わりたいなぁ。。
そろそろ、電話切ろうかなぁ。。

と、思うとスペイン人は、

Pues, venga ! と切り出します。

Pues : 英語のwellと同じ役目で、「よし」みたいな掛け声です。

Venga : この時のVenga は「じゃぁ」みたいな意味です。

よって、

よし、じゃぁ、ありがとね。
Pues, venga. Gracias.

よし、じゃぁ、また続きは今度。
Pues, venga. Hablamos.

よし、じゃぁ、また明日。
Pues, venga. Hasta mañan.

というように、
よく使います。

ここで、ポイントなのは、
例えば、電話でどちらかがvengaと切り出したら、
切り出された方はvengaとはあまり返しません。

例えば、
pues venga, hablamos.
と言われたら、

Vale, vamos hablando. Gracias hasta luego, adios, adios..
みたいに切るんです。

とにかくスペイン人は、別れ際や、電話を切るときに、さよなら、またねという言葉を3回くらい繰り返します(笑)


または、サッカー⚽の試合を観ているとき、

行けぇ!とチームを応援する意味で
Venga !!
と使います。これはVenirの命令形として、使ってるのかもしれないです。でも、言うタイミングは、攻めに入って、行けぇ!と応援するときです。

Vengaを使うだけで、
急にネイティブ感がますので、どうぞ使って見てください。

単純で迷惑なスペイン人に、思慮深く迷惑な日本人

マラガで出逢った私の大事な友達マキコ(仮名)が、もうすぐマラガに遊びに着ます。

2年ぶり。
この前、マラガに顔を出したときに、マキコの彼氏もとい家族に会ってきました。彼はスペイン人。

二人の出会いは、当時、私にはとても羨まし見えました。

彼は、マキコが入ったホームステイ先のお家の息子で、普段は島で働いている息子が、休暇でマラガに戻ってきたときに、マキコに出会い、二人は恋に落ちました。

彼は、背が高く、イケメンな消防士。趣味はサーフィンで、つい数年前までキャンピングカーが家だった様な自由な人。

マキコは、日本では働きモノで、しっかり計画を立て、人生の中で自分を発展させいくことに熱心で、
でもオセアニアでワーホリをしていたこともあって、少しチカラを抜いて違うタイプの人生の楽しみも味わえる美人さん。

二人で島に住みだしたころ、まだ家がありませんでした。車で1週間くらい暮らし、やっと家を借りて暮らし出した二人。

1番苦労してたように見えたのは、
計画的なマキコと無計画な彼氏のその違い。

真っ直ぐで、単純だから、知らず知らずのうちに問題を作り出す彼氏と、それを我慢して、問題として二人の間に持ち出さないマキコ。


二人の恋物語は、
いろいろな紆余曲折があり、マキコが日本への帰国を決めたところで、グラグラしていた二人の行く末が、少しづつ、ある一方向で向かいだした感じがしました。

私は、仕事で日本に月一以上の頻度で行く機会があるので、日本にてマキコによく会っていまいした。
島暮らしで、太陽で、真っ黒に焦げていた彼女のお肌も、日が経つにつれ、白く元の色に戻っていき、
街に住む日本人に変わっていく様子を、わたしは見ていました。

彼氏とは、どうなったの?
そう聞くと、GWに日本に遊びにくるの、
そう言っていたのは1年前。

彼氏とは、どうなったの?
そう聞くと、
あなたと昔ような島の暮らしはできない、と言ってみた、と聞いたのは帰国して2年目のこと。

最近はどう?
と聞くと、実はお見合いをしてみることにした
と聞いたのは今年のはじめ。

え?知ってるの?向こうは。
なぜか、聞く私も、彼氏とは呼べなくなりました。

見合いをするかもとは言ったけど、
本当にすることは言ってない。言えなくて。。

そうか。。

それからは、それ以上二人の話を聞いてなかったのですが。。

そんなマキコと反対に、今でも二人の未来に夢を持っていた彼氏。

あんなに、自由だった人は、こんなにも不自由に生きることを望んでいるようで。

マキコが、ここをマラガを出ていくと決めたとき、
ここには仕事がないからと言っていました。

すると、彼氏の家族は、親戚を使ってマドリーの大きな会社のポストをマキコに用意したんです。

マドリーなんて、彼氏にとったら、海もない大都会なのに。それでも、彼女がスペインに戻ってこれるなら、と精一杯の彼氏。

それでも、なぜかスペインにやってこないマキコ。

どうしてだろう。。
彼の母親もマキコのことが大好きで、
家族全員が真剣にマキコについて考える。

そんなスペイン人の会議(笑)をボーと見ていた私。
なんだか、結婚詐欺にあった被害者を見ているようで。。

マキコは、仕事に夢中なんだよ。
と口を挟む挟んでみると、

でも、毎日夜遅くまで、土日も働いている彼女から満足している様子はちっとも伝わってこない。

と、私意見は速、却下(笑)

スペイン人は、
本当に単純です。
例えば、1+1=2 だと思っている人たち。

日本人は、というと、
1+1=2... (だけど1+(3-2×1-5+6/2+2)= 2)と頭の中で考えてるような人たちです。
そにカッコの中のごちゃごちゃした数字は、スペイン人には見えないわけで。。


昔、スペイン人の友達に、
一緒にいる相手によって、人が変わったみたいな振舞いをする日本人が嫌いだ、と言われました。。

するどいご指摘で。。

でも、
マキコは、決してウソをついて、スペインで生きていたわけではないと思う。
仕事をしないで、毎日サーフィンする彼を見ていた時間は、彼女にとって苦痛だったのか。。
いや、その時間はそれで楽しんでいたはず。
そんな暮らしをずっとしていくのも、悪くはない、と、どこかで思っていたはず。

さて、
来月二人はマラガで再会します。
彼氏の母親が重い病気だという、あまり好ましくない理由での、スペイン訪問です。

どうなることやら。。

誰かが悪いのかもしれないし、誰も悪くないのかもしれない。

正義は、国によっても、個人によっても違うということです。

私のスペイン人の親友

お久しぶりです。
最近、仕事出張が多すぎて、自分がどこに住んでいるのか分かりません。。

昨日まで長年住んでいたマラガに行ってきました。
知人が病気でお見舞いに行ってきたんです。久しぶりのプライベートな旅行です。

マラガでの滞在は、私が元々すんでいたPiso(マンション)にまだ友人たちが暮らしてるので、そこにお邪魔してきました。

私はそのPisoで約2年間、そこにいる二人のスペイン人女子と本当によく喧嘩して、暮らしてきました。とくにそのうちの1人。
最初は、文化の違いで本当に苦労しました。
部屋にこもる私引きずり出し、みんなでご飯食べる日を作られたり(笑)
私のものはあなたのもの。あなたのものは私のもの精神で、洗濯してある服もよく噴出しました(笑)
私が嫌気がさして、言うたびに、私はあなたの事を家族と思ってると言われたものです。
喧嘩をして数日、目も合わせたくなくて、でも一緒に住んでいるから、結局ごめんねと謝りあってまたやっていく。結局、男とよりも長く続いている友情(笑)
彼女はモノよりも、お金よりも家族や友人を大事にする人です
その彼女が私のことを兄弟くらい大事だとよく言います。私にとっても大切な親友です。

さて、その彼女が、
知人の見舞いから帰ってきた私に、話があると怖い顔してリビングに呼ぶのです。

なにか悪いこちとでもしたっけ?と思っていくと、

最初に言われたのが、
仕事、辞めなさい!辞めればいいじゃない!

え?

なんのことかと思うと、

2週間おきに、日本に出張行ってるんでしょ?
なんのため?なんの必要があってそんなに働くの?
私は、間違ってるかもしれないけど、それがあなたの人生で大切なことだとは思えない。

なんの必要があるのか。。
確かに、考えてみるとよくわからない。

プー太郎になるのが嫌といえば、
ここにいた時も、プー太郎だった時期があるじゃない。それでもまた仕事は見つかったじゃない。
と言われるに決まってる(笑)スペインで職を見つけるのがどんなに大変か、それは彼女も痛い程わかっているはずですが。経験積みた言いっても、いつまで積んでるの?と言われましたし(笑でも、たしかに、食べていけるだけの手に職は身についています。

そして、別にこの仕事でスキルアップしたいわけでもない。ただ今、月の半分が出張のせいで、月の半分は会社のお金暮らしています。それが利点ではあるけど、どうしても必要かと言われると必要でない。そして月の半分ホテル暮らしも辛いし。。

ということで、
今の仕事を続けてる必要性はない
ッて、やめませんが(笑)

なんか、私の親友はいかにも狩猟民族だと思いませか?いかにもアンダルシア人。
最初は、その対極にあった彼女の考え方に、だいぶ疲れましたが、そ~ゆ対極にある人はとても刺激になります。

今自分があたり前に繰り返してやっていること、
なんの必要があるのか、考えたことありますか?

本当は必要ないことに、人生縛られたりしてませんか?

スペイン人が仕事もまともにしないで、どうしようもないとよく外から言われるけれど、
一つ言えるのは、でも、誰よりも幸せそうに見えたりするんです。
海のベンチで日向ぼっこをしている、おじいちゃんでさえ。

この街には、幸せそうな人が多い。

そんな姿から、何か学ぶことがあるような気がします。

スペイン人、イギリス人、ドイツ人と働いてみて

今日、久しぶりに仕事で怒られました。
怒らせた相手は、日本の大きな会社のお客様。

弁明と、対応策を御社の会社として、上の立場の方から出して頂きたい。

提出書類の納期を早めて欲しいとの要望受けていたんですが、その要望日に、もう少し時間が必要なので当初の納期日に提出させて下さいとメールしたことが火種です。要望日の連絡になってしまったのは時差のせいもあるんですが、
そんな言い訳聞きたくないでしょうから。

はい、上のものから書面にてお詫び差し上げます。

と一先ず、答えました。

日本の社会というものを、フト思いだした瞬間でした。

私の上司はスペイン人です。

さて、このお客様の怒りをどう伝え、どんな書面を出してもらうか。。出張先にいる上司に詳しく電話で伝えると、

わかった。謝っとくよ。一先ず今日要望書類提出しようか。


以上。

思わず、いやいや、そうじゃなくて、
一回こういうことすると信用問題に関わるとか、そういう細かい説明をする気は一気に失せました。

そう、これが欧米人。
欧米人と仕事をしてもらうということを味わってもらおうと、あえて、追加コメントやめた私。

私が今持っているいくつかのプロジェクトには、
ドイツ人もイギリス人もいます。

そして、いつも思う。

彼らが、見る先がだいたい5mくらいまでとするならば、日本人は10km先まで目を細めてみています。

メール一つにしろ、相手がこう言ってきた場合に備え、こう書いとこうとか。こうなった場合はこうしようとか。
守備範囲つまり、責任範囲を大きく考えと、仕事って、とても重いものになります。
そして、相手によることさえ、対策を練ろうとすると、相手に振り回されます。

相手がいつも主体の社会。
相手がいて、自分がいる。そんな風に考えるのが日本の社会。

一方ヨーロッパは、自分が主体の社会になります。

で、お前はどう思うんだ?どうしたいんだ?というのが友達、上司、みんなの口ぐせです。相手は、そのときには視界にはいないのです。

よって、日本人にとって、彼らとの仕事は非常にやりにくいはずです。

でも、時々思うんです。
誰に何を言われようと、ドイツ人も、イギリス人もスペイン人も、彼らの秩序とプライドを持って仕事をしているんです。
周りには時々迷惑ですが、彼らの人生は、楽しいだろうなと。。

そして周りに迷惑をかける分、
他人に、かけられる迷惑にも寛大です。

日本で、私たちが他人に迷惑をかけるなと教育されてきた一方で、
インドでは、
他人に迷惑はかけてしまうものだから、どんなに迷惑をかけられても他人を許してあげなさい。と教育されるそうです。

どちらも極端になると大変ですが。
どちらも、一つの考え方です。

そして、自分の選択、判断が相手に関係ないところにあると考えると、実は全てのことは、とてつもなくシンプルで楽になる。
という経験を私はこの5年にしてきました。

それと同時に、
日本人として受けてきた教育は、日本人という社会の中、もしくは日本という一つグループとして機能するときに、とてつもなく優秀ですが、
海外に個体で出ていくと、むしろ、足を引っ張る。

自分のやりたいことも言えないやつは、バカか、ドイツ人にイジられ(笑)、
先ばかり、相手のことばかり考え性格は、欧米人といるとただただ疲れるばかりで(笑)

そしてなにより、
相手に認められなければ、自分の価値を見い出せないという性格を持っていては、ここでは不幸になる一方で。

海外に出ると、
一生マイノリティとして生きていくことになります。
自分と同じ姿、形、言語を話す人間は、集めてもネイティブの数には絶対的に負けます。

自分のマイノリティの意見では、一先ず負けることが多い。

それでも、自分で自分を支持していなければ、
自分のことは自分で決めるという態度でいなければ、辛いのです。

ドイツ人も、イギリス人もスペイン人も、仕事において、時々、めちゃくちゃだな、この人たちと思ったりします(笑)


でも、それを、社会は許している。
完璧ではないことを、社会は多目にみている。

日本が少し学ぶところかもしれません。