バスの真ん中の窓側の席

今日も、
いつもと変わらず、バスに乗り、仕事場までやってきました。

いつもと少し違うのは、
8月なので、朝の出勤時間にバスに乗る人が半分くらいなこと。(8月は会社が休みなことが多いです)

一番に、空のバスに乗り込んだ私は、
一番お気に入りの、バスの真ん中の二列並んだ窓側の席に座りました。
ストップボタン近いし、出口(真ん中にあります)に近いので好きなんですよね。

そして、私に続いて2人くらいゾロゾロと乗ってきた人たち。

と、そのうちの一人のおばあさんが(ちょっと体の重そうな。)、私の隣の空いている席に、重そうな腰をおろした。。
そして、私にニコリと笑う。

周りの席はガラ空きです。
もちろん、おばあちゃんたちのためであろう、特別シートみたいなものもガラ空きです。

おばあちゃん、

なぜ、ここなんだ。。。と。

思いつつ、私も笑顔を返す。


そしてバスは5人くらいの乗客で出発。
15分もしないうちに、私が降りるバス停にやってきました。

おばあちゃんに、

ごめんなさいね。
私は、早くに降りるから、最初に座る場所変わればよかったね。。

と話しかけると、

あぁ、何言ってるの。気にしない。気にしない。

と、その重そうな体をのしりと持ち上げ、私を通してくれました。


ありがとう。 とあいさつすると、

よい1日を。

と、また笑ってくれました。


バスを降りて、
そうか、今日はいい1日になるのかもしれない。
そう、思いながら、嫌な会社(笑)までの道を歩きました。

そして、考えてみた。

なぜ、私は、自分の横に人が座るのを敬遠したのか。
(他の席はガラ空きの状態で)

キット、
このおばあちゃんのやりとりが面倒だと思ったからだと思う。

ごめんなさい、と言ってどいてもらう。
わざわざ、おばあちゃんを立たせて、そして座らせて。

申し訳ないし、面倒だし。

でも、この国の多くの人たちは、
それを面倒だとは思わないようです。
とういか、そんなことまで考えてない気もします。(笑)

キット、あのおばあちゃんも私と同じで、
バスの真ん中のあの二列の席が、
彼女の特等席だったのかもしれない。

では、
実際、一見面倒に見えたことは、
本当に面倒だったのか。。。

いや、そんなことはなかったです。
正直、おばあちゃんの言葉はどれもうれしかった。
彼女と関わったことは、
少なくとも、今日の気分を変えてくれる、良い出来事でした。

ということで、
面倒なことをしないと、得られないものが
あるということだ。

ということを今日、勉強しました。

便利なこと、面倒でないことは、
いつも一見、魅力的ですが、面倒なことをするからこそ、得られるものを奪ってしまう。

この今日の出来事も、明日になれば忘れる、大したことではないですが、

この国は、他人のことを対して気にせずに、
だからこそ、人と人が関わり合って生きている。

こうやって、いろんな人と関わることの累積が、
ここに留まる大きな核を成しているような気がしたりする、今日でした。