なんでも水に流す人たち

こんにちは。

先日、マドリーのバラハス空港での出来事。

私は、5月の連休をイギリスの知り合いのところで過ごすため、バラハス空港にいました。

ゲートコールがかかり、ボーディングが始まり出ししたので、私もゾロゾロと伸びる列の後尾に並んで、私の順番をいつもの様に待ってると、
私の前で、Stop!と言われてしまい。。

一人のGAが、すごい勢いで、

はいはーい、下がって下がって〜
搭乗を中止します〜

と言い出しました。

え、何事?

と思ってると、もう一人、機体から出てきたと思われるGA(スペイン人)が呆れた感じを満々に出しながら、

機長が自分のIDカードをホテルに忘れたそうです。
これから、そのホテルへカードを取りに行くので、
搭乗中止です。
はいはーい。みなさん。ベンチに戻って座ってください。

機内にいる乗客も、みんな一旦ゲートに戻ってもらいます。

と、呆れた感じにアナウンス。

客のスペイン人たちと、私は、

へ??
遅れるってこと?

と、GAに聞き寄っていくと、

ホテルと空港は片道15分位なのよね〜
30分は遅れるわね。以上!

と、被害者かのように答え、質問を切られる(笑)
(スペインでは良くありますねw)

一先ず、
隣にいたスペイン人夫婦の方を見てみたら、
こちらも、は〜、と呆れた感じで1時間は遅れるわよ。座りましょう。と。。私に促す。

私、到着先のロンドンから出発のバスのチケットもう買ってるのになぁ〜

と思いつつ、
私も諦めは早いので、コーヒーでも飲むことにしました。

そして、コーヒーを飲みながら、思い返していました。

しかし、、

IDカードを機長が忘れたことを明かしてしまうなんて、なんてスペインらしいんでしょう。笑

そして、

30分はかかるとのGAの読みに対して1時間と見積もるのも、なんてスペインらしいんでしょう。笑


そして、コーヒータイムから帰ってくると、
さらにスペインらしいことが。

予想外にも機長の同僚が30分以内に機長のIDカードを持って現れたんです。(これはスペインではかなり稀ですが)

すると、みんな立ち上がり、
彼に対し拍手の嵐。

よくやった!
というかのように、

機長の同僚は拍手の嵐の中を英雄かのように歩いて行くではありませんか。

思わず、あっぱれだなぁと笑ってしまった私。

この国では
似たような場面を何度も見ます。

この国で学んだことは、
他人がしでかしたことを、心から許せるようになると、自分がしでかしたことも心から許せる日が着まるということです。(スペイン人は、自分が許してもらう代わりに他人も許すといった、逆の発想だと思いますが。)

こうではいけないという漠然に思う社会のルールを一度、そうでなくてもいいのかもしれないと思って、水に流すことを覚えると、

自分たちはそんな高レベルな人間でなくてもいいじゃないか、とそう思うようになります。

すると、なぜか楽になるんですね。


やっぱり、どんな事にも裏と表は付き物で、
100%美味しいことなんて存在しないですよね。


いつも日本に行くと思うんですが、

日本の電車は数秒も遅れず時間通りにつく代わりに、自分が1秒遅れて、電車のしまったドアを前に、開けてとお願いしても、無視されますね。笑

スペインでは、電車やバスは数分遅れてつく代わりに、数秒遅れて着いた人に、ドアを開けてくれるわけです。

ある日、遅れた自分を受け入れてくれた代わりに、バスや電車が数分遅れることに文句はいわずに、そーゆーものだとして生きている。


どちらがいいかですよね。
性格もあると思いますが。

ただ、もしできるなら、
どちらがいいか、どうしたいのか、選んで生きたいものですね。

ということでした。